石さんが噴火した。コンサドーレ札幌の石崎信弘監督(51)が札幌ドームサブグラウンドで行われた14日の練習中、指示通りにこなせない選手たちに激怒。通常1時間半で終わるものを途中で「納得いかない」と延長し、今季最長となる合計2時間15分のハード調整を敢行した。17日の次節徳島戦の結果次第で昇格が消滅する状況だけに、指揮官始めチーム全体に緊迫したムードが漂った。

 事件はシュート練習で起こった。サイドのクロスに合わせ、2列目の選手が飛び出しゴールへとつなぐパターン練習も、フィニッシュまでまともに到達しない。指揮官は途中で「精度が悪い」と一喝して再スタート。練習時間は大幅にずれ込み、最後の戦術練習開始の時点で既に1時間半を超えていた。練習後は「よそのクラブではやったことがない。でもアイデアが足りないから、形を覚えさせなければならん」と意図的に続けたことを強調した。

 主力組が2時間で上がった後も、三浦コーチ中心で始まった控え組の戦術練習をグラウンド脇で腕組みしながらにらみをきかせた。「ベンチに入る選手も決まってしまい、割って入れる人間もいない。レギュラーは自分の力でつかむもの」と終始、険しい表情を崩さなかった。【永野高輔】