<J2:C大阪3-0横浜FC>◇第47節◇25日◇国立

 C大阪が4季ぶりのJ1復帰へ、王手をかけた。アウェー横浜FC戦に快勝。後半44分、現在J2得点王のMF香川真司(20)が今季27点目のダメ押し弾を決めるなど、12戦負けなしで首位を守った。次節11月8日のホーム草津戦に勝てば、J1昇格が決まる。

 ダメ押しの「昇格王手弾」だ。2-0の後半44分、MF香川は相手DFからボールを奪い、一気にゴール前へ。角度のないところから左足で流し込んだ。右足小指痛を抱えながら、後半開始から出場し、J2得点ランクを独走する27得点目。抜群の決定力で、レベルの違いを見せつけた。「狙い通り。リードしていても、絶対にゴールを奪ってやろうと思っていた」。

 右足小指は、万全には程遠い。1週間で全体練習に合流するのは2日だけ。それ以外は治療とリハビリに費やす。プロ入り4年目で初めてケガと戦う日々に「まだ何%とかは言えないくらい悪い。でも、昇格が決まるまでは試合に出て貢献したい」と言い切った。

 試合前のミーティングでレビークルピ監督が「ただJ1に上がるだけでなく(香川)真司に得点王を取らせようじゃないか」と言ってくれた。調子が上がらない時に「いつでも試合に出られると思っていたら、大きな間違いだ」とカミナリを落とされたこともある。厳しく温かく指導してくれる指揮官の期待に応えるゴールだった。

 次節11月8日の草津戦に勝てば、他チームの動向に関係なく昇格が決まる。待ちに待った瞬間は、すぐそこだ。「ホームでサポーターと喜びを分かち合いたい。自分の仕事を果たすことだけを考えたい」。20歳のエースが、最後の力を振り絞る。【奈島宏樹】