来季続投が内定している浦和のフォルカー・フィンケ監督(61)が、新戦力獲得交渉へ「直接出馬」することが10月31日、分かった。さいたま市内のクラブ事務所で、橋本社長や信藤チームダイレクターら強化担当者と同監督が一堂に会し、戦力構想会議を実施。今季から取り組むパスサッカーの強化策を検討するとともに、今夏の移籍市場で実現しなかった戦力補強を確実に行うため、フィンケ監督を積極的に移籍交渉の場へ投入する方針を固めた。

 移籍制度の新ルール導入により、1日から他クラブ所属の選手との移籍交渉が解禁。浦和は香川(C大阪)や柏木(広島)、金崎(大分)ら数選手をリストアップしているが、いずれも競合する可能性が高い。橋本社長は「戦力補強について話をした」と会議の詳細を語らなかったが、関係者によると「相手に誠意を示す意味でも、交渉の早い段階でフィンケ監督が出馬することになる。監督からビジョンを伝えることで、交渉をスムーズに進められれば」と明かした。

 浦和は既に5月下旬、フィンケ監督と1年間の契約延長で基本合意しており、今月上旬までに条件面などの見直しを終える予定。この日の筑波大との練習試合後に現所属選手へも現状を報告した。同監督はシーズン残り4試合を戦う一方で、「交渉人」の切り札として新戦力獲得に乗り出す。