サムライ・ストライカーがアウスタで暴れる!

 日本代表遠征(南アフリカ、香港)から19日に帰国したJ1清水FW岡崎慎司(23)が20日、21日のG大阪戦(午後2時=アウスタ)に向けたチーム練習に合流した。2戦連続フル出場となったアジア杯予選香港戦(18日=香港)から中2日の強行軍だが、ACL出場権を手繰り寄せたい3位との大一番にエースが飛ぶ。

 吉報の兆しは日本代表遠征で訪れた南アフリカにあった。この日、3日連続の非公開練習を終えたチームで、ひときわ目を輝かせていたのが岡崎だった。

 「クジラのジャンプを見ました」。

 クジラが激しい水しぶきを上げながらジャンプしていたとは…。クジラは地域によっては、大漁祈願や海上安全の「水の神」として祭られる。何より清水の筆頭株主、鈴与のテレビCMで「見たこともないもの、見てみたいな、クジラのダンス…」と歌われている。清水の選手にとってこれ以上、なじみがあり勢いに乗れる光景はない。3位のG大阪とACL出場権をかけた大一番を前にエースがクジラの後押しを受けた。

 そんな吉兆を感じながら、遠征の疲労とも闘う。14日の南アフリカ戦(国際親善試合)、18日の香港戦(アジア杯予選)に2試合連続でフル出場。長時間のフライトに加え時差も体力を奪う。帰国は19日午後。この日の最終調整は午前9時からの強行軍だが「代表戦の2試合プラス、ガンバ戦というモチベーションでやってきたから大丈夫です」と出場を志願。動きを確認した長谷川監督も先発起用を即決だ。

 G大阪戦のチケットは試合2日前に完売。今季、前売り段階での完売は5度目で、これまで1勝2分け1敗で勝利したのは磐田とのダービーのみ。「サポーターが、がっかりしているのは、もう見たくない。満員のときこそ一丸となって勝ちたい」と力を込めた。南アでクジラのダンスを見た岡崎が次に目にするのは、アウスタを揺らす勝利のダンスだ。【為田聡史】