<J2:札幌4-2岐阜>◇第49節◇22日◇長良川

 コンサドーレ札幌は岐阜に4―2で快勝し、石崎信弘監督(51)の通算500試合目を白星で飾った。前半11分に上里一将(23)が先制点を挙げると、同20、21分とMFダニルソン(23)が2得点。後半20分には3年目のDF岩沼俊介(21)がプロ初得点を決め、クラブのアウェー通算100勝、J2・150勝を同時達成した。緊縮財政のため、来季は遠征に使う宿泊費の切り詰めも検討されるなど厳しい状況が想定されるが、チーム一丸で雪辱の10年に向け足を踏み出していく。

 札幌が石崎監督続投決定後、初の試合を理想的な形で締めくくった。主将の上里、来季も核とされるダニルソン、3年目の岩沼と、3人のレフティーで計4得点。指揮官は「DFの裏を取り、ポストプレーもミドルシュートも、いろいろな形で得点できたのは良かった」と多彩な攻撃を見せた選手たちをねぎらった。

 この日の岐阜戦は石崎監督の500試合目。柏時代から恩師と慕うDF石川は「できれば完封したかったけど監督の節目を白星で飾れたは良かった」と笑顔を見せた。10月21日の栃木戦以来1カ月ぶりの白星。指揮官続投が決まらないことで、この1カ月間はチーム全体に少なからず不安もあった。だが、18日の続投決定により、試合に集中できる環境が整った。

 これからは選手もスタッフも、いばらの10年に向けて一致団結して踏み出していく。ニトリのメーンスポンサー撤退の影響もあり、強化費が3億円台まで落ちる可能性がある。クラブではチームづくりをより良くするため来季遠征に使う宿泊費の切り詰めも検討している。「厳しいことだと思うが、少しでも選手にも協力してもらえれば」とクラブ関係者は言う。

 今季は素泊まりの場合、1人7000円前後のホテルを利用してきたが、来季は試合会場に応じて5000円前後のホテルでも対応できるか情報収集を行っていくという。宿泊だけでなく、ストレッチなどができるスペースも同時に取れるという条件を定め、コストダウンが可能か詰めを行っていく。

 状況は誰もが分かっている。ある選手は「泊まれれば部屋にはこだわらない。クラブのため全員で協力しなければ」と言う。石崎監督500試合、クラブ通算アウェー100勝、J2の150勝と節目を一度に突破した。今度は来季を最善の形で迎えるために、クラブの1人1人が知恵を出し合い、協力し合って突き進んでいく。【永野高輔】