G大阪が、大分に期限付き移籍中のMF家長昭博(23)を呼び戻す方針を固めたことが19日、分かった。西野体制9年目の来季、チームは積極的に若返りを進めていく考えで、その第一弾として家長を復帰させる。「和製メッシ」と呼ばれた未完の大器は、オシム体制下の07年にA代表も経験。2年間在籍した大分では目立った活躍はできなかったが、古巣が再生を手掛けるつもりだ。

 G大阪が、若返り策の第一弾として「和製メッシ」を呼び戻す。家長はレンタル移籍で08年から2年間、大分に在籍。来季に向けてはJの他クラブと接触し、長年の夢でもある欧州挑戦も視野に入れてきた。だがJリーグ関係者は「(家長の)奥さんが大阪出身で、子供も生まれたことから、ガンバに戻る方向で話が進んでいるようです」と明言。交渉が順調に進めば、年明けにも3季ぶりの復帰が正式決定する。

 G大阪は来年1月に30歳となる大黒柱・遠藤をはじめ、チームの“高齢化”が進んでおり、来季は若手の積極起用と、5季ぶりのリーグ制覇を同時進行で進める方針だ。この日、金森社長は「西野さんもそのこと(若手起用)は頭に入っている」と説明。2大目標の1つ「新旧融合」の象徴が、オシム体制の07年にA代表も経験、G大阪ユース時代から潜在能力を高く評価されてきた家長になる。

 家長は「未完の大器」とされながら、G大阪在籍時の07年には西野監督の戦術に順応できず控え暮らしが続いた。移籍先の大分では右ひざ前十字靱帯(じんたい)を損傷して北京五輪を棒に振るなど故障に泣いたが、昨オフには英チャンピオンシップ(2部相当)のプリマスが獲得に乗り出すなど、各方面で今も高い評価を受けている。

 G大阪は、今季のJ1得点王、磐田FW前田の獲得に失敗。家長を呼び戻すことでその穴を埋め、チームを活性化させ、リーグ戦とACLのタイトル奪回を狙うつもりだ。