J2仙台GK林卓人(27)が、あこがれの地元クラブを完封する。29日の天皇杯準決勝(国立)で対戦するG大阪は、93年のJリーグ開幕から、一ファンとして何度も観戦してきた故郷大阪の雄。来季を待たず一足先に公式戦での初対決が実現し「思い切りぶつかる」と胸を躍らせた。相手の日本代表MF遠藤保仁(29)の「コロコロPK」も、機会があれば止める気だ。

 幼いころの思いが脳裏によみがえる。林の故郷・大阪府茨木市とG大阪の本拠地、吹田市は隣接しており「子供のころからガンバの試合は何度も見た。あこがれのチームでした」という。初観戦は93年。対市原(現千葉)で「ガンバにはFW松波とかGK本並がいて、ジェフにはMFリトバルスキーがいた」。その後も、FWエムボマが活躍した時代や西野監督の就任後など、歴史を見てきた。

 そのG大阪と、公式戦初対決の機会が巡ってきた。「何も失うものはないし、100%の力を出し切る」と燃える。PK戦がある天皇杯。当然、MF遠藤の「コロコロPK&FK」もチェック済みだ。林は「映像で見たけど、最近は普通に蹴ることも多い。FKもコロコロじゃなくて速いグラウンダーだった」と分析。その上でPK時のイメージを膨らませた。

 林

 向こうはGKの動きをギリギリまで見て蹴る。僕も、PKの時はギリギリまで我慢するスタンス。集中力を高めて自分の間合いで跳べば、止められる可能性はある。

 直近では、昨年4月の愛媛戦でPKを止めた林だが「PKを与えず90分間で勝ちたい」と完封が目標。今年2月の練習試合は1-0で勝った。真剣勝負でも再現してみせる。【木下淳】