今季限りで退団するG大阪のGK松代直樹主将(35)が、天皇杯連覇で自らの花道を作る。準決勝仙台戦(29日、国立)に向け、26日は大阪・万博練習場で調整。39度の発熱で練習を休んだ正GK藤ケ谷がA型インフルエンザの陽性反応が出たため1週間の自宅静養となり、松代の決勝までの残り2戦の先発が濃厚になった。97年の入団からG大阪ひと筋のベテランは「(藤ケ谷の)悔しさを全員で晴らしたい。元日に(表彰台の)壇上に上がる思いしかない」と言い切った。

 最後まで主将らしく、チームを引っ張る決意だ。クラブからは下部組織コーチ就任の打診を受けているが、決して「引退」の2文字を口にすることはない。「精神的にも、肉体的にも。10年以上やってきた今までの日常通り、ガンバの一員として全力でやる」。屋台骨を支えてきた男らしく、派手さを嫌い、最後まで最後尾からチームの勝利に貢献する構え。プロ13年間の勲章として、タイトルにこだわる。