G大阪の日本代表MF遠藤保仁(29)が故郷でしかられちゃった-。12日に母校の鹿児島実を訪問。約1300人の全校生徒の前であいさつする直前に、厳格な指導で有名な松沢隆司サッカー部総監督(69)が遠藤のスーツ姿を見渡し「ネクタイを上までしっかりしめろ!」。さすがの遠藤も、背筋がピーンと伸びた。

 「(服装を)ちゃんとしていても直せって言われる。見たまんま厳しい。でも、桜島を見て帰ってきたんだなあ…と。たまには苦しい時を思い出すのもいい。大阪に持って帰ります」。遠藤は泥まみれになった時代を思い返し、W杯を戦う糧として胸に刻んだ。

 前夜は松沢総監督らと食事し、地元名産の黒豚を振る舞われた。だが、体脂肪が増えることを気にして野菜しか口にしなかったという。ビールもグラス半分だけ。試合前のボクサーのように節制する姿に同総監督は「アイツも本当のプロになったんだな」と目尻を下げた。遠藤も「支えてもらった人のためにW杯で結果を出す」と南アフリカで恩返しする。【益子浩一】