J1清水の長谷川健太監督(44)が29日、クラブ史上初の「年間リーグ制覇」に向け、超攻撃システムの採用を決断した。「昨年の成績を上回り、タイトルを取るために変化をしていかなければ」と今季初めての戦術練習で、システムを昨季までの4-4-2から、4-3-3に変更した。MF藤本淳吾(25)を3トップの右サイドに起用するなどの大胆なコンバートも含め、課題の攻撃力アップを狙う大改革に着手した。

 長谷川監督が選手に示したホワイトボードには、清水の「新しい姿」が表されていた。フルコートのピッチに散らばったイレブンは、いつもとは違う位置に配置された。「変えることにリスクがあるのは分かっている。でも、チャレンジしていかなければ、何も始まらない」。就任6季目の指揮官は「4-4-2」を封印し、より攻撃的な「4-3-3」の新システムを採用する決断を下した。

 この日は守備面での確認がメーンだった。だが、新システムでの最大の特徴は攻撃面にある。「基本的には3トップ。チームとしてどうやって点数を増やせるか」。まずは3トップの右にMFの藤本を起用。「(藤本は)もともと(年間)10点は取れる選手。それぐらいのアベレージは期待したい」と、FWへのコンバートを示唆。藤本も「自分でも未知だけど、攻撃面でしっかり高い位置でプレーできれば。楽しみです」と意欲を見せた。

 小野の加入もシステム変更への後押しとなった。長谷川監督は「小野をチームとしてどう生かすかというのもある」と説明。3トップにすることで2列目の小野の前線へのパスコースが増え、得点力のアップにつなげる狙いもある。「最初は4-4-2で様子を見ようかと思ったけど、中途半端は面白くない。今年はがらっと変わる。せっかくいい選手がたくさんいるからね」。攻撃は最大の防御-。今季のエスパルスは、攻めて、攻めて、攻めまくる。【為田聡史】