先発2トップの座をかけて、サバイバルレースのスタートだ!

 J1山形は10日、今季初の紅白戦(15分×2本)を行い、11日の練習試合(2試合)に備えた。FW田代有三(27)はMF古橋とコンビを組むなど、計3組の2トップが互いの呼吸を確認。14日までの4試合を「アピールの場」とした小林監督の眼鏡にかなうべく、5人の候補がしのぎを削る。

 得点力アップを掲げる今季初の紅白戦は、計30分とはいえ無得点に終わった。だが小林監督は「連係確認をやってないんだから、そりゃ合わないよ」と意に介さない。指揮官は、今日から始まる雲仙キャンプの4試合で「毎回メンバーを代える。(2トップ候補が)色を見せてくれればいい」と話し、事実上の先発をかけた競争開始を告げた。

 この日の2トップは田代―古橋、長谷川―北村、北村―伊東の3組。指揮官は相性や特長を把握した。田代は瞬時の判断で、DFの背後へ何度も飛び出してアピール。伊東はボールを預けると同時にゴール方向へ駆け込み、周囲の目をひきつけた。鹿島から移籍の田代でさえ「(先発を)取れるとは思ってない」と、生き残りへ必死だ。

 「練習試合で(選手が)自由に動いて特長がハッキリした上で、やり方とか直すところを考える」と指揮官。「トップ10入り」を実現させるためのシステム変更や、采配につながる材料も模索する。昨季10点でチーム得点王になったFW長谷川も「簡単に出られるとは思っていない」と話すサバイバル戦。3月6日の開幕戦(対湘南)のピッチを目指し、チーム内競争の火ぶたが切られた。【山崎安昭】