鹿島MF遠藤康(21)が63メートル弾で定位置争いに名乗りを上げた。鹿島は13日、ケーズデンキスタジアムで水戸とプレシーズンマッチを行い、2-0で勝利。先発フル出場した遠藤は1-0で迎えた後半ロスタイムに超ロングシュートを決めてダメ押し点を奪った。

 小雪舞うピッチで想定外の一撃だ。相手CKがクリアされ、遠藤がこぼれ球を拾う。水戸GK本間がCKで攻め上がっており、無人となった63メートル先のゴールが見えた。利き足とは逆の右足を振り抜き「奇跡。右足だけど、蹴っちゃえって感じだった」というシュートが枠内に転がり込んだ。

 プレシーズンマッチのため公式戦ではなく、過去のJ公式戦でGK3人(うち2人はFK)が決めた距離にも及ばないが、流れの中では異例のロングシュート。宮崎合宿直後でチーム全体の動きは重かったが、遠藤が最後に存在感を示した。

 今季はMF本山の長期離脱が決まり、新外国人MFフェリペガブリエルらと定位置を争う。昨季リーグ戦出場はわずか2試合だが、左足の技術は定評が高いだけに「もっと存在感を見せていかないといけない」と息巻いた。【菅家大輔】