約1時間半の式を終えて教室に戻ると、女子生徒から写真攻めにあった。さらに、他クラスの生徒や保護者からサインを求められた。入学当初から名門清水商のエースとして活躍し、県高校サッカーを沸かせた風間宏希(18)は、ピッチを離れても人気者だった。「県総体で優勝したことが1番の思い出。あっという間の3年間でした」と満足げに振り返った。

 卒業後は、欧州リーグでのプレーに挑戦する。昨年9月に、スペイン1部リーグのエスパニョールや、ブンデスリーガの強豪ケルンに練習参加した。「海外はサッカーに対する『本気さ』がすごい」と風間。続けて「Jリーグや大学もやめた。海外に行くと決めたので夢に向かって頑張りたい」と強調した。現在は父八宏氏が監督を務める筑波大で練習中。今春中にも再び海外チームの練習参加兼入団テストを受けることが濃厚だ。

 3年間、風間を指導してきた大滝雅良監督(58)は「謹厳さを忘れずに、さらに高みを目指してほしいですね」とエールを送った。風間は「海外で活躍して、将来は日本代表でやりたい」と夢をふくらませた。清水商のエースが、世界のエースになるため、新たなスタートを切った。【神谷亮磨】