日本女子サッカーリーグ2部に相当するなでしこ「チャレンジリーグ」に新規参入したノルディーア北海道が、4日の開幕戦(対清水第八プレアデス)で船出する。1日には公式ユニホームも完成した。選手は仕事を退職したり、自宅を転居するなどして、サッカー中心の生活に切り替えた。9月まで15試合を戦うファーストシーズンに向け闘志を燃やしている。

 ノルディーア北海道はこの日、旧adooma時代から一緒に練習していたASCの男子中学生チームと、本拠地の札幌サッカーアミューズメントパークで練習試合を行った。真新しい真っ赤なユニホームに初めて袖を通しての練習だった。冨田舞主将(25)は「だんだん気持ちが高まってきました」と、開幕を迎えるうれしさを口にした。

 新たな挑戦に向け、選手個々がそれぞれの考えで集中できる環境をつくってきた。冨田主将は小学校給食を調理する仕事をしていたが退職した。「開幕のアウェー5連戦に集中するためです」と理由を話した。当面の生活費は貯蓄でカバー。5月以降は「そのとき考えます」と、サッカー中心の生活を貫くつもりだ。

 昨夏まで静岡のイカイFCレディに所属していた砂川出身のMF真鍋かおり(24)は、チームのセレクションを受け入団した。「地元に戻ってプレーしたかったことと、上を目指すチームに入りたかったことが合致した」。DF小寺彩日(25)は苫小牧から札幌に転居した。大学を卒業した選手も日程的に融通の利く仕事に就いた。山田静監督(38)は「みんな(チャレンジリーグに)かけています。結果を出すしかないんです」と力を込める。

 チーム力は上がっている。セレクションで手薄だったMFを真鍋を含め3人獲得。新戦力の北野早苗(23)は新得在住だが土日だけ全体練習に参加している。冨田主将は「新メンバーも力になってくれている。中盤でパスがつながるようになった」と手応えを話す。

 リーグは15試合。開幕後5試合はアウェー5連戦となる。遠征費を抑えるため、すべて日帰りで出掛ける。山田監督は「初めてのことばかりですが、何とか食らいついて力をつけていきたい」と抱負を話す。対戦相手の清水第八プレアデスは全日本女子選手権で7連覇を果たしたこともある強豪。全力でぶつかる。【井上学】