日本代表の鹿島DF内田篤人(22)が、新天地でも鹿島の1年目でつけた背番号20を背負う可能性が出てきた。内田獲得の正式オファーを出していたドイツ・ブンデスリーガの名門シャルケと鹿島が、13日までに完全移籍で基本合意。詳細を詰めた上で、来週にも内田の移籍が正式発表される見込みとなった。シャルケ関係者はこの日、内田に提示する背番号として「20」が候補に挙がっていることを明かした。

 内田の移籍話がとんとん拍子に進んだ。鹿島の鈴木満強化部長は、この日までにシャルケと鹿島の間で、完全移籍で基本合意に達したことを明かした。欧州でのプレー経験がない日本人では異例の3年契約、年俸2億円。約3年の契約を残す鹿島側に違約金1億2000万円(金額はすべて推定)が支払われる見込み。16日のリーグ名古屋戦終了後に細部の詰めを行い、正式発表される見込みだ。

 獲得への熱意の高さを示すように、シャルケ側は早くも内田に提示する「背番号」の準備を始めた。この日、シャルケ関係者は「内田に提示する背番号として20番が候補に挙がっている」と明言した。「20」は内田が鹿島1年目の06年につけた番号だ。クラブ史上初めて高卒新人で開幕戦に先発し、あっという間に強豪鹿島で定位置を確保。北京五輪代表、日本代表にステップアップしていくきっかけをつくった思い出の番号でもある。

 今は鹿島で「2」、日本代表で「6」を背負う姿が定着しているが、実現すれば、新たなチャレンジに乗り出す内田にとってふさわしい背番号になる。シャルケでは現在、背番号20をギリシャ代表経験もあるMFプリアチコスがつけている。09年夏にAEKアテネから加入したMFは、10年1月の合宿中にひざの靱帯(じんたい)を痛めて戦線離脱。結果を残せていないことから、背番号の変更も容易とみられる。

 関係者によると、内田はシャルケを選んだ理由の1つとして「マガト監督の厳しい練習を経験してもっと自分を追い込みたい」と話しているという。この日の練習後には「鹿島最終戦」となる名古屋戦に向け「今は移籍の話はできない。ACLで負けたのは残念だけど、気持ちを切り替えて名古屋戦に集中して、勝ち点3を取りたい」と話した。