“スーパーサブ近藤”で勝ちきる。コンサドーレ札幌は20日、札幌・宮の沢で紅白戦を行った。腰痛と両足首痛で前節大分戦を欠場したFW近藤祐介(25)が、この日から全体練習に合流した。紅白戦には加わったが終始サブ組でプレー。22日の徳島戦は移籍後初のベンチスタートが濃厚で、石崎監督も勝負どころでのピンポイント投入を示唆した。追加点欠乏症に悩むチームの新たな切り札として生かす。

 札幌が負傷者続出のピンチを“逆転の発想”で乗り切る。この日の紅白戦はキリノの1トップの後ろに、MF砂川のトップ下。前節大分戦でトップ下に入った宮沢は、左ひざ痛で別メニュー調整となった上里の代わりにボランチに入った。

 本来、切り札的存在としてベンチに置いておきたい砂川を先発起用しなければならない台所事情。そこで石崎監督は、負傷から合流したばかりの近藤を、あえて主力組に入れず温存。「短い時間でもベンチにいれば違うじゃろ」と新ジョーカーとして起用する構えだ。

 2試合ぶり戦列復帰となる近藤も新たな役割に闘志を見せた。「勝ちきるために貢献したい。自分でとれれば一番いいけど、誰かにチャンスができるなら、そうなるようプレーをしたい」。前節大分戦で2度勝ち越しながら、突き放せずに追いつかれドローに終わった。追加点欠乏症に悩むチームだが本来、攻撃の中心である背番号11が終盤に投入されれば、弱点克服へのきっかけにもなる。

 チームとして過去8戦して1勝しかしたことがない鬼門・鳴門大塚だが、近藤自身は神戸在籍時の06年7月22日、同競技場での徳島戦で途中出場し決勝弾を挙げるなど相性は悪くない。J初ゴールとなった03年9月20日の仙台戦も後半途中出場からの同点弾。それだけに「もし途中からとなれば、みんなも疲れている時間帯。そのメリットも生かせれば」と短時間での仕事に集中する覚悟だ。

 16日に予定していた夫人の第1子出産も延びており「遠征中は避けたいんですけど。これだけはどうにも…」と苦笑い。新ミッションとパパへの1歩。近藤がチームと家族のために9戦ぶりゴールを奪いにいく。【永野高輔】