いざ出陣!

 J1初の「みちのくダービー」が17日、NDソフトスタジアム山形で実現する。宿敵を迎え撃つ山形の小林伸二監督(49)と仙台の手倉森誠監督(42)が対決前日に舌戦を展開。大分時代に師弟関係だった2人が、熱い思いをほとばしらせた。山形が守備網の完成度に自信を見せれば、仙台はサブメンバーにFWを3枚用意。J1ダービー初勝利をかけた総力戦の準備が整った。

 時は満ちた。両軍のファンが夢見た大一番の前日に小林監督が口火を切った。

 小林監督

 誠には、まだ負けられない。上回る部分?

 年齢と経験。J1で3クラブを率いたし、いろんな場面を乗り越えた。良い時も悪い時も、選手をコントロールする自信がある。

 そう伝え聞いた手倉森監督に引く気などなかった。

 手倉森監督

 J1の監督経験は伸二さんの方が長いけど、オレの指導歴は(コーチを含めて)もう15年目だから。勝負に上も下もない。年齢が高い方が勝つというなら、試合も平均年齢の高い方が勝っちゃうよ。

 02年に小林監督、手倉森ヘッドコーチとして大分でJ2優勝。03年は、ともに初のJ1で共闘した。今度はJ1で拳を交える時だ。

 小林監督

 誠は多くの監督に師事したから情報収集能力が高い。経験を積めば、まだ伸びる。カラオケの歌唱力は既に負けたけど。

 手倉森監督

 はぐらかす時は、絶対に負けたくない時。分かる、そういう人。普段からオレには負けられないって意識してるはず。

 譲れない舌戦は自信の表れだ。最終調整を終えた小林監督は「守備全般、クロス対応とグループ戦術はウチの方が上」。守護神のGK清水も「僕がゼロに抑えれば、ウチのエース(FW田代)が点を取ってくれるでしょ」と自信を見せた。

 一方の仙台も勝利への姿勢を鮮明にした。フェルナンジーニョと中島の2トップに加え、途中出場要員として平瀬、中原、この日追加登録が完了した新加入の朴成鎬を帯同した。手倉森監督は「サブにFW3枚は初めて。アウェーだけど点を取りたい時はリスクを冒す」。東北の覇権をかけた戦いの幕が、ついに開く。