<J1:山形1-0磐田>◇第17節◇7日◇NDスタ

 山形はFW北村知隆(27)のJ1自己シーズンベストの3得点目で磐田を撃破。4試合ぶりの白星を挙げ、暫定11位でリーグ戦を折り返した。

 技術は、ない。しかし、それをカバーするだけのハートを北村は持っている。後半開始早々に、チームとして4戦ぶりのゴールを決めた。ピッチ中央でDF石川がパスカットし、すぐさま左サイドのFW宮沢へスルーパス。宮沢は、MF増田へボールを1度預ける間に敵陣深くへ走り込み、パスを受けて速いクロスを入れる。これをファーから駆け込んだ北村が、ゴールネットへ突き刺した。

 「ぼくかなり汗かきなんっすよ」。そう話す北村は、最近の猛暑の中での練習では、シャツを絞れるほどびっしょりだ。汗をかくことを嫌がらない男が、DFと見間違えるほど守備にも貢献。170センチ、61キロと大きくない体で、暑さも影響し疲労はピーク。食欲がなくても、栄養を取るために「奥さんにスープとかをオーダーする」(北村)。今季、好調を維持し続けている。彩夫人(26)の内助の功に、日ごろから感謝だ。

 昨季は14位だったが、今季は暫定11位で折り返した。磐田戦ではリーグ戦3戦全勝。6月のナビスコ杯では屈辱の0-5負けのリベンジを果たしたヒーローを、小林監督は、こうたたえる。「決してうまくないんだけど、キャンプから今年にかけていい準備をしてた。攻撃も守備も頑張るから、貴重な戦力だよね」。花笠まつりに負けないムードを作ったサポーターに、北村は約束する。「勝ち続けて上位進出を狙います」。山形はここから、さらに熱くなる。【山崎安昭】