清水商FW風間宏矢(2年)が10日、磐田の練習に参加した。元日本代表MF風間八宏氏(48=筑波大蹴球部監督)の次男で、U-17日本代表に選出されるなど将来を有望視される逸材。下部組織以外で高校2年での参加はクラブ史上異例のことで、自身にとっても初となるJクラブの練習参加だった。クラブ側も将来的な獲得を視野に入れており、11日まで参加する予定だ。

 将来の日の丸候補が、17歳にしてサックスブルーの練習着に袖を通した。2日前に清水商のブラジル合宿から帰国したばかりの風間が、磐田の練習に参加。冬の南米から一転、真夏の炎天下でフィジカル中心のメニューを2部練習でこなした。プロのパワーとスピードを肌で感じた風間は「とりあえずきつかった。こういう環境でやらせてもらってありがたいです」と、はつらつと答えた。

 清水商の偉大なる先輩たちから歓迎を受けた。練習前、W杯日本代表GK川口(94年卒)と「清商談義」に花を咲かせた。今や磐田では唯一の同校出身選手となった川口からは「もう僕だけだったから寂しかったですよ。いい選手ですから、少しでもいい経験をしてほしい」とエールを受けた。午後には元日本代表MF名波アドバイザー(91年卒)が駆けつけるVIP待遇。「違う環境でやることで刺激を受けた方がいい」と声を掛けられたという。

 近年、高卒の有望選手も進路決定が早まっている。風間自身、昨年夏にスペインでのユース世代の大会に出場。今年1月にはU-17代表として、メキシコ遠征に参加するなど、どんどん刺激を受けている。プロクラブの練習参加こそ初めてで、フィジカル面では課題も見せながらも「プロは速いから1対1でやりがいがある。自分の間合いでやれれば、特長は出すことができる。ゴール前で受けたら積極的にやっていきたい」と強気の姿勢。「力を試してみたいというよりも、何かを持って帰りたい」と、転んでも転んでも起き上がって成長を続ける。【栗田成芳】