W杯日本代表の浦和MF阿部勇樹(28)が24日、イングランドチャンピオンシップ(2部相当)のレスターに移籍濃厚となった。この日、現地でレスターと交渉中の阿部の代理人から浦和側へ連絡が入り、条件面などを確認。両クラブ間で合意した。阿部は25日に渡欧し、メディカルチェックを受ける予定。移籍手続きの最終段階に入った。

 阿部は海外志向が強く、昨オフから代理人を通じて欧州の複数のクラブと下交渉を続けていた。21日までにレスター側から税抜きの推定年俸120万ユーロ(約1億3200万円)という好条件のオファーが届き、23日に代理人が急きょ渡欧していた。レスターは来季のプレミア昇格を目標に掲げており、阿部は「現在の自分に何が必要かを考えた。そういう目標に向かってやれたらと思う」と移籍を決断。この日もさいたま市内のクラブハウスで走り込むなど準備を整えている。

 ただし、阿部は過去2年間の「代表戦75%出場」という英国就労ビザ取得条件を満たしていない。8月末の欧州移籍期限までに特例でのビザ発給が認められなければ、移籍は不可能となる。浦和の柱谷GMは「W杯に出場しているので大丈夫だと思う。もし移籍できない場合は、これまでどおり浦和でプレーしてもらうということをフィンケ監督にも伝えた」と話した。【山下健二郎】