東京は19日、成績不振を理由に城福浩監督(49)を解任し、W杯南アフリカ大会で日本代表コーチを務めた大熊清氏(46)の監督就任を発表した。18日に磐田に1-2で敗れ暫定で15位に転落。この日、勝ち点21で並んでいた16位の仙台が山形に勝ったため、J2降格圏の16位に転落した。大熊新監督は99年に東京をJ1に昇格させ、監督を務めたU-20W杯(03年8強、05年16強)でも実績がある。クラブは経験豊かな新監督で、J2降格阻止を目指す。大熊新監督との契約は今季終了までとなる。

 急転直下の決断だった。18日の磐田戦で敗れた後、村林社長は「任せた城福監督に(この状況を)取り返す機会を与えたい」と話していた。だが、9戦未勝利と結果が出ない状況に、同社長は一夜明けた19日午前の練習前に城福監督に解任を通告。「ここ数試合の内容と、残り試合でベストを尽くすためにどうしたらいいか一晩考え決断した」と明かした。

 J1残留を託したのは、6月のW杯南アフリカ大会で日本代表コーチを務めた大熊氏だった。99年に東京をJ1に昇格させ、01年に退任して以来、9季ぶりの監督復帰。村林社長は大熊新監督就任の理由については(1)生え抜きの同監督の東京に対する熱意(2)日本代表コーチを務めたことによる指導者としての成長(3)若手育成力、を挙げた。そして、東京をJ1に昇格させた功績、国際大会での実績を踏まえ、「彼のもっている勝負強さは間違いなく一級品」と話した。

 この日、選手への就任あいさつのため東京クラブハウスを訪れた大熊新監督は「人とボールを相手に嫌がられるように動かせる判断力を養いたい。最低限のバランスを保ちながら、点を取りにいくサッカーを目指す」と話した。ミーティング後、ゲームキャプテンのDF徳永、MF梶山を呼び、「選手間で、いい意味でのぶつかり合いも必要」と意思疎通を促した。

 突然の監督交代に選手たちは戸惑いながらも前を見据えた。18日の磐田戦で今季初ゴールを決めたMF石川は「責任を感じるし、非常に複雑な気持ち。でも立ち止まっていられない。新たな気持ちで、まずはJ1残留できるように頑張りたい」と話した。東京は20日はオフ。大熊新体制は21日からスタートする。【塩谷正人】