清水FW藤本淳吾(26)がナビスコ杯準決勝第2戦の広島戦(10日=アウスタ)へ向け7日、全体練習に合流し、キレのある動きを連発した。9月25日の名古屋戦で右太もも裏を負傷。全治3週間と診断されたが驚異的な回復で08年以来3年ぶり決勝進出へ、貴重な役者が帰ってきた。

 藤本が決勝進出をかけた大一番のピッチに立つ!

 負傷から12日。初めて全体練習に参加すると、フルメニューを消化した。クラブハウスに引き揚げると「今日やれたことは大きい。まだ100%ではないけど、あとは100%になるようにしていく」と順調な回復に明るい表情を見せた。

 ケガを感じさせないプレーの連続だった。実践練習で本来の右サイドに入ると、ドリブル突破からの正確な折り返しで2点を演出。さらに、ゴール前でフリーになると藤本らしい技ありのループシュート。クロスバーに弾かれたが、今季公式戦10得点を上げる好調ぶりそのままだった。

 それ以上に、こぼれ球は果敢にスライディングで奪いに行き、DF陣とも思い切りぶつかり合うなど対人プレーで不安を感じさせなかった。長谷川健太監督(45)も「明日の様子を見て」と慎重な姿勢の上で「やれるなという感じを受けた。やっぱりボールがおさまりますね」と復活を喜んだ。

 第1戦では敗れたものの、貴重なアウェーゴールを奪った。日本代表のFW岡崎、MF本田を欠きながらホームで迎える第2戦は1-0で勝利すれば決勝進出が決まる。藤本は「1-0で勝てば良いけど、思ったとおりに行くとは思っていない。タイトルを取るチャンスだし、どうやって次に進めるかだけを考えていく」。復帰初日を「楽しかった」と笑って振り返ったレフティーが、アウスタでも笑う。【前田和哉】