<天皇杯:G大阪3-2栃木>◇9日◇万博◇3回戦

 史上初の3連覇を狙うG大阪がJ2栃木に前半で2点を先行されたが、後半に3点を奪って辛勝した。G大阪は嫌な雰囲気でハーフタイムを迎えたが、2年目のFW大塚翔平(20)がピンチを救った。

 3連覇を狙うG大阪が冷や汗の逆転勝利をあげた。格下のJ2で11位の栃木に大苦戦。雨の中、前半は集中力を欠き簡単にカウンターから立て続けに失点。0-2で前半を折り返す思わぬ展開となった。敗退危機を救ったのが、2年目のFW大塚翔平(20)だった。

 後半8分にFWイ・グノ(25)が移籍後初ゴール。同38分にFW平井将生(22)が同点弾。そして、同41分だ。MF佐々木勇人(27)からパスを受けると大塚が冷静に流し込む。うれしい公式戦プロ初ゴールが決勝弾となった。3-2での逆転勝利に「ゴールを決められてうれしい。ここまで長かった。みんなに感謝したい」としみじみ言った。

 ユースの2年後輩のMF宇佐美がレギュラーに定着。悔しくないと言えば、うそになる。居残りで松波コーチの指導を受け、シュート練習を繰り返す日々。努力の成果が報われた。

 西野朗監督(55)は「記者の皆さんは、ハーフタイムに番狂わせ用の記事を書いていたんじゃないですか。試合の流れを変えるしかなかった」と振り返った。反省点の多い試合だった。だが、20歳の若武者が敗退危機を救い、G大阪の底力を証明した。【奈島宏樹】