<J1:G大阪2-1京都>◇第27節◇24日◇西京極

 G大阪の日本代表MF遠藤保仁(30)が「頭」で、チームを勝利へ導いた。下位京都に苦戦しながらも、全得点を演出し2-1で辛勝。前半は相手の出方を見極めながら“死んだふり”。勝負どころの後半21分に、DFの一瞬のスキを突いてMF佐々木の先制点をアシストした。西野朗監督(55)さえも欺く頭脳プレーで、首位名古屋を追走する2連勝だ。残り7戦で勝ち点8差。3位を守ったG大阪が逆転Vだけを狙う。

 遠藤の「頭脳」に、西野監督さえもだまされた。前半は押し込まれる展開が続き、重圧をかけられた。指揮官は「前半は(試合に)対応できていない遠藤がいた。逆に後半に入るとシンキングスピード(判断力)が上がった」。遠藤の技術は、西野監督をいい意味で裏切った。

 遠藤

 前半は予定通り。0-0でいいと思っていましたし、様子を見ていた。後半にプレースタイルを変えて対応しました。

 わざと前半は“死んだふり”。そして後半21分だ。中央付近から迷わず前線の佐々木へラストパスを送った。相手の出方を見ていた前半、サイドバック(SB)がマークを外す瞬間があることを分析。それをすぐにプレーに生かした。

 遠藤

 ササ(佐々木)についていたSBがちょっと離れたのを見逃さずに(パスを)出すことができた。

 頭脳と技術、そして冷静な判断力-。点を決めた佐々木も「本当は外に出て(ボールを)もらおうと思ったけど、中に出してくれた。それがシュートを打てる絶好のボールでした」と驚いた。後半25分にもFW平井の決勝弾の起点を作り、全2点を演出した。

 首位名古屋を追走し、残り7戦で勝ち点8差の3位。遠藤は「ボクらは全勝するしかない」。遠藤がいれば、夢が現実になるかも知れない。【益子浩一】