今日17日、8強入りをかけ天皇杯4回戦が行われる。浦和戦(埼玉=午後7時)の磐田は左足首を負傷しているMF山本康裕(21)が強行出場する。16日の完全非公開練習で、患部の状態を確認しゴーサインが出された。長期離脱中のDF駒野の代役として奮闘してきた若手ホープは、代役にポジションを譲らなかった。

 右へ左へ、軽やかなステップを披露した。山本康は14日の仙台戦で左足首を負傷。翌日には検査を受けた。この日の全体練習後、佐々木トレーナーと状態を確認。その姿を見守った柳下監督は「やれるということなので問題ないだろう」と先発起用にゴーサインを出した。山本康も「足は大丈夫。試合に出たいという思いは強い。若さを出してやりたいと思う」と出場に意欲を見せた。

 出るからにはフル出場する覚悟がある。「監督からは、痛みがあるような動きが見られたらすぐに代えると言われている」。本職はボランチだが、今季からサイドMFや駒野が代表で不在の時は、右サイドバックの代役として出場。10月に右上腕部骨折で駒野が長期離脱すると完全に定着した。現在U-21日本代表が出場しているアジア大会には、クラブの主力選手として招集を見送られるほど、「代役」をステップに大きく飛躍した。

 ボランチへのこだわりは強いが、サイドバックとしても色を出し始めている。攻撃の場面では、果敢にMF西を追い越して攻撃に参加する。「そうやらないと自分が出ている意味がない」。J2甲府との天皇杯3回戦(10月13日)では外から中へ走り込んで、決勝ミドル弾を決めた。「インサイドに入ってプレーができるようになってきた」と手応えもつかんでいる。

 浦和に勝てば、続く準々決勝は来月25日。一気にシーズンが伸びることになる。「1日でも長くサッカーをやるために大事な試合になる」。痛いなんて言ってる場合じゃない。【栗田成芳】