山形は18日、磐田戦(20日=ヤマハ)に備え、静岡・袋井市のエコパスタジアム補助グラウンドで調整した。前日17日の天皇杯4回戦では敵地で川崎Fを撃破。120分戦い、PK戦までもつれたため、軽めのメニューにとどめた。

 J1残留に王手がかかる一戦は、「指揮官不在」で挑む。川崎F・MF楠神のゴールに対し、オフサイドを主張した小林伸二監督(50)が退席処分。規定により磐田戦はベンチ入りが不可能となった。

 18年間の監督生活で初めての経験だった。「あんなに詰め寄ったことはない。でも、(言うべき時には)言わんといけん」。迷いはなかった。直後にDF西河のゴールで同点。PK戦では5人全員が決め、劇的な勝利につながった。DF山田も「あれ(退席)で『頑張ろう』という気持ちになった」と振り返る。

 代行で指揮を執ったのは長島裕明ヘッドコーチ(HC=43)。指揮官が「チョーさん(長島HC)、良かったよ」と評価するように劇的な勝利を演出。大事な磐田戦でも采配を振る。「初めてだけど緊張はないです」。小林監督が身を削ってまで得た貴重な勝利。今度は“ナガシマ監督”で残留をたぐり寄せる。【湯浅知彦】