磐田の天皇杯敗退を誰よりも悔しがったのは、長期離脱中のDF加賀健一(27)だった。7月の練習試合で頸椎(けいつい)骨折。全治3~6カ月の重傷を負った。ここまですでに4カ月半が経過。前日の浦和戦に勝てば来月25日までシーズンが伸びて戦列復帰の可能性もあった。それだけに加賀は「自分が試合に出られるかは分からないけど、勝ち上がってくれればチャンスはあると思っていた」と残念そうに話した。

 衝撃の悪夢から順調に回復している。今月1日の検査で骨が完全についていることを確認。18日の練習では別メニューながらロングキックを蹴った。しかし、頸椎に一番負担がかかるとされたヘディングは軟らかいバレーボール限定。それでも22日にドクターチェックを受け、許可が出れば翌23日からボール使用が解禁される。加賀は「その後1、2週間でチームに合流できるようにしたい」と見通しを語った。

 チームは12月4日の最終節後もしばらく練習を行い、同16日からオフに入る予定だ。加賀は「オフまでに戻れば、来季始動のときスムーズに入れる」。今季中の復帰こそなくなったが、しっかりと来季を見据えていた。【栗田成芳】