12位の山形に「ナンバー1」がかかっている。リーグ戦反則ポイントで競うJ1フェアプレー賞。34点以下のチームはすべて、6日の「Jリーグアウォーズ」で表彰を受ける。その中で、最も点数の少ないチームに贈られるのが「高円宮杯」。前節終了時点で山形は27。2番手の広島を2点リードし、最終戦(鹿島、4日・午後3時30分、NDスタ)に臨む。

 今年こそは逃げ切る。昨季も「高円宮杯」に王手をかけて最終戦に臨んだ。だがイエローカードを1枚食らいフイに。小林伸二監督(50)は「表彰されてうれしかった。最終戦は惜しかった」としっかりと記憶している。

 出だしは悪かった。開幕から4試合で警告9。後方からのスタートだった。位置取りを上げたのは今季初勝利となったホーム広島戦。無警告で乗り切り、次戦(対神戸)もクリア。調子を上げると中盤で一気にスパート。第22節(対名古屋)から4試合連続警告なしで先頭に立った。

 紳士的なプレーが光る。全33試合出場のMF宮沢、28試合出場のDF石井は警告が1回のみ。小林監督も「無駄な反則がないということは、選手が試合に集中している証拠」と胸を張る。早々と名古屋が優勝を決めたリーグ戦の「裏のタイトル争い」で山形がVゴールを決める。【湯浅知彦】