浦和の日本代表MF細貝萌(24)が今冬にブンデスリーガ1部の強豪レーバークーゼンに移籍する可能性があることが9日、分かった。既にスカウティング担当者が来日してJ公式戦でのプレーを確認。豊富な運動量と対人勝負の強さ、将来性を高く評価しており、早ければ来週にも正式オファーする。さらに複数のクラブが獲得を検討しており、今季での浦和との契約満了を機に、細貝の海外移籍が濃厚となった。

 14年W杯で日本代表の中核を担う「北京世代」がまた1人、欧州の地を視界にとらえた。細貝は31試合2得点と活躍した昨季に続き、今季も浦和でリーグ戦28試合1得点と主力に成長した。9月には日本代表に初招集され、Aマッチデビュー。W杯南アフリカ大会以降、ドルトムントMF香川の活躍などで日本人選手の評価が急上昇しているブンデスで、複数のクラブが調査に乗り出している。

 中でも、現在リーグ3位のレーバークーゼンが、1月の移籍市場での獲得候補としてリストアップ。J公式戦に強化担当者を派遣して細貝のプレーを確認しており、12月中旬から来年1月中旬までの冬期リーグ中断期間に移籍交渉を進める方針を固めた。今月下旬には代理人が来日し、具体的な条件面を詰める見込み。ドイツ代表MFバラック(34)やロルフェス(28)ら主力ボランチの将来的な世代交代と、2月の欧州リーグでのターンオーバー制をにらんだ補強となる。

 63-64年シーズンのブンデス創設以来初の1部昇格を目指す2部アウグスブルクも細貝獲得に動いており、レーバークーゼンへの加入後、今季終了までの期限付き移籍するプランもある。細貝は浦和側から3~5年間の長期契約での更新を打診されているが「どうなるか分かりません。今は天皇杯(25日、G大阪戦)へ向けて結果を出せるように頑張りたい」と態度を保留している。香川、CSKAモスクワMF本田、カターニアFW森本らとともに、08年北京五輪で世界レベルを体感。14年W杯出場へ向けてステップアップを目指しているだけに、海外挑戦を決断する可能性が高い。

 細貝が移籍した場合、来季ペトロビッチ新監督を迎えてJ王座奪回を狙う浦和にとって、ダメージは大きい。柱谷GMは「チームの軸として考えているので、移籍されては困る」と慰留に努める考え。現在調査中の東京DF今野ら新たな補強に動く可能性もあり、細貝の去就に目が離せない状況となった。