コンサドーレ札幌DF西嶋弘之(28)が22日、来季、徳島に移籍することを自ら明かした。今日23日に正式発表される。今季は33試合に出場しチームトップタイの5得点をマーク。攻撃力を兼備したDFとしてJリーグ5クラブからオファーを受けていた。西嶋は札幌在籍6年半でクラブ史上3位の203試合出場を誇るチームの支柱。MF藤田、DF石川の新潟移籍も確実で、主力が立て続けに流出する事態になった。

 選手会長が苦渋の決断を下した。西嶋はこの日、徳島移籍を自ら明かし「長いサッカー人生をどうするか考えたときに1度、環境を変えてリセットし、一から勝負するのもありじゃないかと思った」と説明した。すでにGK佐藤の北九州移籍が決定。MF藤田、DF石川は新潟移籍も確実で、戦力外となったDF吉弘、藤山、箕輪、MF砂川含め今季の背番号1~8までがチームを去ることになった。

 西嶋にとって、悩んだ末の結論だった。徳島からは10月末に正式オファーを受けた。決勝弾を挙げた11月23日の徳島戦では美濃部監督直々に視察に訪れ獲得の意思が伝えられた。それでも6年半まとってきた赤黒のユニホームには愛着がある。昨季までともにプレーした曽田氏やチームメートのMF砂川らに相談。2カ月考え抜いた末「札幌はサポーターも環境も素晴らしかった。でも長くいることで選手として甘えが出てしまうのでは」と決断した。

 守備だけでなく右足のミドルシュート、セットプレーでのヘディングも決定力がある。攻守ともに武器を持つ28歳には複数クラブが興味を示していた。札幌以外に徳島、甲府、湘南など計5クラブが獲得に名乗りを上げていた。札幌も契約延長を打診していたが強化費の大幅削減がネックとなった。最終的には実直な人柄まで調査し評価していた徳島に絞り込んだ。

 「札幌が対戦相手となるというのが想像できない。一から新しい西嶋弘之をつくっていければ」。この日、徳島入りし関係者へのあいさつも済ませた。Jデビュー、初得点、結婚と、思い出深い第2の故郷札幌を離れ、新天地で再チャレンジする。