広島の日本代表DF槙野智章(23)が、今冬にブンデスリーガのケルンに移籍する可能性があることが26日、分かった。今季限りで浦和監督を退任し、来年2月からケルンのスポーツディレクター(SD)に就任するフォルカー・フィンケ氏(62)の意向を受けて同クラブがリストアップ。槙野サイドに獲得を打診した。槙野は今季で広島との契約が満了。名古屋、柏、横浜からのオファーを断り、広島残留か欧州移籍かで去就が注目されている。

 槙野は今月10日から約1週間、オフを利用してホッフェンハイムで練習参加。シャルケやドルトムントなど計4クラブの環境を視察して「ドイツなど、欧州でプレーしたいという意欲が増した」という。複数年での契約延長を打診している広島側も来年1月末まで返答を待つ方針で、ケルンと条件面で合致すれば、海外移籍を決断する可能性が高い。

 ケルンは現在2部降格圏の16位と低迷。健全経営の範囲で守備力強化の補強を目指している。日本人選手の情報と分析に精通しているフィンケ氏の評価と意向をもとに、攻守両面でプレーの精度が高く、移籍金が発生しない槙野を有力候補に挙げた。槙野の代理人を務める田辺伸明氏は「(ケルンから)可能性があると聞いている。本人と話し合って決めたい」と話す。

 槙野は27日から大阪府内で、来年1月開幕のアジア杯(カタール)日本代表合宿に参加。代表でのプレーとともに、去就から目が離せない状況となった。