【グアム29日=永野高輔】海外キャンプ中のコンサドーレ札幌に、国内の思わぬ難敵が現れた。霧島連山・新燃岳の噴火により、九州方面で予定されていたJクラブキャンプが相次いで中止になっている。札幌が2月22日に練習試合を予定しているG大阪も、宮崎綾町キャンプ開催が危ぶまれている。3月5日開幕を目前にした時期に、大事な力試しの相手を失いかねない事態となった。

 日本から2500キロ離れたグアムで調整する札幌にとっても、新燃岳噴火は対岸の火事ではなかった。宮崎綾町キャンプを予定していたG大阪は、すでに鹿児島や和歌山など代替地をリストアップ。キャンプ地変更の場合、札幌にとっても2月22日のG大阪との練習試合が白紙になり、対応が必要となってきた。

 噴火の影響で、綾町でキャンプしていた川崎Fは28日に予定を早めて帰京。新燃岳から約60キロの距離にある同町には火山灰が積もり選手が目やのどの痛みを訴える状況だ。噴火の長期化も予測されており、石崎監督も「綾町は厳しいんじゃないだろうか」と心配する。

 G大阪からは前日28日にキャンプ地変更の可能性を示唆されており、札幌も代替案を検討している。開幕までのチームづくりには昨季同様、5試合を想定しており、特に3月の開幕を控えた大事な時期に実戦を減らすことはできない。指揮官も「こういう状況なので他クラブとも密に連絡を取り合わないと。仙台とも話をしている」と言った。2月15日から宮崎市で仙台がキャンプを行う予定で、G大阪の綾町キャンプが中止となった場合、同町から東に約20キロ離れた同市での仙台戦も視野に入れている。

 グアムでも噴火報道は話題になっている。札幌と同じ熊本で2月にキャンプを張る韓国Kリーグ水原三星スタッフも、札幌の練習場を訪れ「火山は大丈夫か。熊本でキャンプはできるのか」と情報収集に訪れた。偏西風の流れや、130キロという距離もあり、熊本に火山灰が降る可能性は低いが、札幌側でも地元サッカー協会に確認するなど慎重な対応を続けている。