サッカー元日本代表でJFL(日本フットボールリーグ)松本山雅DF松田直樹さんが4日、長野県松本市内の病院で心筋梗塞のため死去した。34歳だった。2日の練習中に急性心筋梗塞による心肺停止で倒れ、集中治療室(ICU)に運び込まれていた。容体は回復せず、家族に見守られながら息を引き取った。

 格好いい。男の目からもそう見える選手だった。熱血漢ゆえに指揮官や先輩とも衝突し、横浜ではGK川口を「うざいやつ」と言ったこともあった。一方で抜群のリーダーシップを発揮したこともあった。

 01年秋、横浜はJ2降格の危機にあった。その最中に川口が海外のクラブへ移籍し、当時24歳の松田さんがリーダーになった。途端に自ら「うざいやつ」になった。結束力を高めようと「みんなで金髪にしよう」と言い出した。既にスターだったMF中村は「何もしないよ」と言いながら、松田さんのおとこ気を感じ取り、黒髪をうっすら茶に染めた。

 W杯日韓大会後、海外移籍の話もあったが、松田さんは「俺はいいよ。マリノスが好きだからね」と言い、横浜に残った。昨季限りで無念にも横浜を離れた男が、こんな形で天に召されるとは…。天国では無理して「うざいやつ」にはならず、ありのまま格好よくいてほしい。【00~02年担当・柳田通斉】