デルピエロがやってきた!

 今日21日の「東日本大震災復興支援Jスペシャルマッチ」に出場するため、元イタリア代表FWアレッサンドロ・デルピエロ(37)が20日に来日した。カシマスタジアムでの前日練習に、JリーグTEAM

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 ONE(J被災地選抜)の一員として参加した。募金活動も行い「忘れてはいけない震災があった。オファーをうれしく思い『はい』と答えるのは簡単だった」と話し、復興支援に一役買う。

 Jリーグを代表する選手の中でも、人気ぶりは際だっていた。遅れてピッチに登場すると、見学客のいるスタンドからは一番の大歓声。選手全員と握手を交わし、ミニゲームではデルピエロが得意とするゴール左斜め45度の「デルピエロゾーン」からシュートを放った。「試合を見に来てくれる人も、テレビで見る人も楽しんでもらいたい」。デルピエロの出場が表面化してから、入場券は約5000枚伸びるなど、効果は抜群だった。

 早くから話を進め、デルピエロ人気を目の当たりにしたJリーグからは、さらなるラブコールの声が上がっている。セリエA・ユベントスを退団し移籍先は未定の現状に、大東チェアマンは「今季残り半年で(仮に年俸が)3億かかるなら、Jリーグが半分の1億5000万もってもいい。そうすればアウェーでもファンがスタンドに足を運んでくれる。その分をJに戻してもらえればいいだけだ」と、Jが日本移籍をバックアップするアイデアを明かした。

 デルピエロ自身は、「日本でやる気は?」と聞かれると、間髪入れずに「明日は(日本で)やるけどね」と、にっこり。「(今後のことは)まだ分からない。まずはここでしっかりやりたい」と、冗談交じりに話し、デルピエロスマイルを見せた。【栗田成芳】

 ◆デルピエロと日本

 96年トヨタ杯で来日し、アルゼンチン・リバープレート戦で、デルピエロゾーンといわれる左斜め45度からのシュートで決勝点を挙げ、MVPを獲得。02年W杯日韓大会ではイタリア代表として来日し、大会前に仙台でのキャンプでは地元の子供たちと交流した。この日練習したカシマは、02年W杯でクロアチアと対戦した思い出の地。日本アニメ・ルパン三世のファンで、今でも遠征先では任天堂スーパーマリオゲームでリラックスする。プロレスの新日本ファンとしても有名だ。