<高校サッカー青森大会:八戸工大一3-1野辺地西>◇3日◇準決勝◇新青森県総合運動公園競技場

 八戸工大一が野辺地西に逆転勝ち。17年ぶりの決勝進出を決めた。青森山田は5-1で青森西を下した。

 八戸工大一イレブンの雄たけびが続いた。後半24分、FW盛雄大(3年)のシュートで同点。同31分には主将のMF田村佳祐(3年)がコーナーキックを頭で合わせ、ついに逆転。ロスタイムにも田村が相手GKのこぼれ球を蹴り込み、ダメを押した。

 前半ロスタイムに先制を許す苦しい試合。だが野球部をはじめスポーツ部員が加わった応援団が懸命に声援を送った。河合大匡(ひろまさ)監督(32)はハーフタイムにイレブンに話した。「1点は応援団の力で必ず取れる。同点になる。あとの1点はお前たちの力で取れ!」。

 後半は巻き返しに転じた。田村は「ハーフタイムはみんなうつむいていたが、監督さんの言葉で士気が高まった」という。イレブンは浅虫温泉の旅館に泊まっていたが、河合監督は「朝食の後片付けなどを田村は率先してやっていた。精神的に成長した」とキャプテンをたたえた。

 17年ぶりの決勝進出で初の全国選手権にあと「1」と迫った。河合監督は「青森山田という絶対王者に史上最弱の挑戦者がぶつかるが、全国レベルになるために勝たないと。もっと攻撃的サッカーでいく」ときっぱり。田村は「3年間やってきたことを全部ぶつける」と闘志をみせた。【北村宏平】