<高校サッカー静岡大会:常葉学園橘0-0(4PK3)藤枝明誠>◇25日◇決勝◇エコパ

 藤枝明誠のパスサッカーでも常葉学園橘の守備は崩せなかった。

 前半はチャンスを作った。9分に左CKをDF大坪律己(りつき=3年)が頭で合わせたが、ポストを直撃。39分には3人がつなぎ最後はMF小林舜典(しゅんすけ=3年)が左足でシュートも、ゴール上へ外れた。ところが、後半以降は攻め手を欠く。最後方からパスコースを探し続けた大坪は「橘の堅守はイメージをはるかに超えていた」と相手の集中力に脱帽。エコパの長い芝でパススピードも微妙にずれ、徐々に勢いを失った。

 それでも、大坪は同31分にDF山崎勇一郎主将(3年)が退いてからはキャプテンマークを巻き、2分後には自陣ゴールに吸い込まれるボールをクリアするなど奮闘。PK戦では1人目で外し3年ぶりの頂点を逃したものの、最後はすっきりした表情を見せた。「後輩ならやってくれると思う」と雪辱を託し、サッカー人生に区切りをつけた。【石原正二郎】