<皇后杯:仙台レディース6-0日体大>◇2日◇2回戦◇ユアスタ

 飛ばないボールでもゴールラッシュだ!

 仙台レディース(東北・宮城)が日体大(関東・神奈川)に圧勝。リーグ戦終了後からボールを替えて準備を進めてきた成果が出た。8日の3回戦では、浦和(なでしこ)と対戦する。

 徹底したロングボール攻撃で相手を翻弄(ほんろう)した。自陣深くでボールを持つと、すぐさま前線へフィード。先月4日のチャレンジリーグ最終節で苦戦した日体大の高いDFラインを下げることに成功し、大量点を奪った。

 通常は伊藤美菜子(26)の1トップだが、この日は中原沙央理(24)も加えた2トップに変更した采配も的中。千葉泰伸監督(41)は「6-0はビックリ。狙い通りに相手の背後を狙えた。初めての満足じゃないですかね」と笑顔。珍しく?

 選手たちを手放しでほめた。

 ボール対策もバッチリだった。今大会の使用球は、リーグ戦とはメーカーが違い特性も異なる。選手たちは「軽くて蹴りにくいし、遠くに飛ばない」と口をそろえる。「皇后杯ボール」に慣れるため、休部した東京電力マリーゼから持参した20球に加え、新たに仙台のロゴ入りを20個購入。今大会前に行った3度の練習試合でも、相手に頼んでピンク色のボールを使用した。DF長船加奈(23)が「意識して長いボールを蹴る練習をしてきた」という成果で、コントロールに苦しむ相手を尻目に次々とロングパスを通して見せた。

 3回戦以降は、なでしこリーグの強豪と対戦する。浦和とは、3月と8月に行った練習試合でともに敗戦。それでも指揮官は「主導権は握られると思うが、今日のような戦いができれば勝利できる可能性は大きい」と自信を見せた。夏はスピードで圧倒された来季のライバルに、進化した姿を見せつける。【鹿野雄太】