<皇后杯:INAC神戸4-0AS狭山>◇準々決勝◇16日◇三木陸

 大会3連覇を目指すINAC神戸がAS狭山を下し、準決勝に進出した。左膝を負傷して今季絶望と思われたルーキーFW京川舞(18)が約7カ月ぶりに戦列復帰。故障でU-20(20歳以下)女子W杯やロンドン五輪出場は夢に終わったが、あと2勝に迫った日本一へ突き進む。22日の準決勝はINAC神戸-浦和、伊賀-千葉(NACK)の顔合わせとなる。

 スタンドからの温かい拍手がうれしかった。5月13日のなでしこリーグ伊賀戦で左足内側側副靱帯(じんたい)と内側半月板を損傷、前十字靱帯を断裂していた京川が、7カ月ぶりに復帰。後半31分から途中出場すると、無得点に終わったが、痛めていた左足でシュートを放つなど完全復活を印象づけた。「全力でプレーして、支えてくれた皆さんに恩返ししたかった。復帰できてよかった」。

 宮城・常盤木学園高から入団した今季、リーグ戦は5戦5発と鮮烈なデビューを飾った。故障でエースとして臨むはずだったU-20女子W杯などには出場できなかったが、地道なリハビリで今季中の復帰にこぎ着けた。「サッカーができないつらさを味わい、もっとサッカーを楽しんで目標に向かっていこうと思えるようになった」。大会3連覇へあと2勝。INAC神戸に頼もしい18歳が再び加わった。【福岡吉央】