東日本大震災の発生から一夜明けた12日、スポーツ界への影響が広がった。13日に予定されていた北九州とのホーム開幕戦が中止となったJ2札幌はこの日、札幌ドームで練習。被害の大きさに選手は動揺を隠せなかった。

 札幌の選手たちもショックを隠しきれなかった。この日は札幌ドームで約2時間半の練習を行ったが、笑顔を見せる選手は1人もいなかった。宮城県に実家があるMF芳賀博信(28)は、塩釜市に住む夫人の両親の安否確認がとれず、この日と今日13日の練習は休むことになった。前日11日は芳賀本人もショックを隠しきれずチーム関係者によると「(芳賀が)宮城に行くと言い出したので今、行ってもどうにもならないから」と押しとどめたという。

 札幌は被害が少なく練習は続けられているが、石崎監督も「芳賀の家族が心配」と話すなど先行きは不透明。FW中山も「あまりにも事が重大すぎてコメントのしようがない。今は試合どころじゃない。テレビで見て恐ろしくなった。ショックが大きい。今はただ被災者の方々の無事を祈るしかない」と話した。

 札幌選手会では今後、義援金などを含む支援活動を検討していく。同会長のMF砂川は「東北には仙台や(東北1部リーグの)グルージャ盛岡などクラブが多い。選手会として何らかの貢献をしたいと思っている」と話した。

 第3節以降のリーグ日程は、週明け14日にもJリーグから発表される見込み。それでも矢萩竹美社長(61)は「まだどれだけの被害か把握できていない状況。あとはリーグの判断だが第3節も行えるか分からない」と流動的だ。中止になった北九州戦の代替日は、リーグ中断となる8月第1週末が有力だが、札幌ドームはイベントで埋まっており不可能。平日ナイター、もしくは札幌厚別など別会場で行う可能性が高い。【永野高輔】