C大阪のレビークルピ監督(58)が「日本残留」を決断していた。母国ブラジルのフルミネンセから監督就任オファーをもらっていたが、断っていたことが19日までに分かった。同監督の関係者が明かした。現在、監督不在のフルミネンセは高額オファーを提示したもようだが、レビークルピ監督は断った。

 「(日本が震災にあった)この状況で、逃げるように母国に戻りたくはない」。

 東日本大震災の影響で、Jリーグでは帰国する外国人監督、スタッフ、選手らがいた。地震の恐怖、原発の影響など、心配する家族を安心させるために一時的に母国に帰国するケースが多かった。しかし、レビークルピ監督は日本を離れる気持ちにはならなかった。フルミネンセに断りの連絡を入れたという。

 「男気」を見せての続投決意はこれが最初ではない。昨年、1年契約が切れる際に、ブラジル名門のクルゼイロが年俸1億5000万円を提示。C大阪の倍以上の条件にも「セレッソを去るつもりはない」と残留した。インテルナシオナルからも正式オファーがあった。ブラジル代表監督候補にも名前が挙がったこともあった。それでも日本を後にしなかった。ドルトムントMF香川を育て、クラブ初のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場をもたらした指揮官は、あくまで日本で、C大阪で指揮を執ることを選択した。【ブラジル=エリーザ大塚通信員】