清水が2日、J2京都との練習試合で大きな収穫を手にした。1-1の引き分けに終わったが、ゴトビ監督は「ゲームスピードも良かったし、多くのチャンスをつくれた」と、納得した表情で試合を振り返った。指揮官が最も喜んだのは若手選手の台頭だ。スタメンに抜てきしたGK碓井、後半開始から出場したMF高木、終盤に切り札として起用したMF橘の「トップデビュー組」が持ち味を発揮し、アピールした。

 選手層が徐々に厚みを増してきた。鹿児島キャンプ中に「今、開幕へ向けて準備できているのは15人」と話した指揮官だったが、この日の試合後は「18人になった」と、うなずいた。碓井は1失点こそしたが終始、落ち着いたプレー。高木は積極的にゴールを目指し、チーム最多の3本のシュートを放った。橘も右サイドから得意のクロスでチャンスメークし、約15分間の出場時間で存在感を示した。

 高木は「大胆なプレーが自分の売り。感触は良かった。今度はネットを揺らしたい」。橘も「失うものはない。アピールするだけだし、がむしゃらにやっていく」と、ひたすら前だけを向いた。若い力が確実に芽を出し始めた。【為田聡史】