手倉森体制初の「アウェー戦全員帯同」で再開戦に挑む!

 仙台は22日、埼玉スタジアム補助グラウンドで今日23日の川崎F戦へ最終調整。3月11日の東日本大震災後、常に言い続けた「団結」を形にする。ベンチ入り登録メンバーは18人だが、漏れた9人も等々力に乗り込む。チーム全員で復興への希望の光となるために、手倉森誠監督(43)が21日に決断した。

 仙台が48日ぶりにリーグ戦に挑む。選手たちは口をそろえる。「あっという間の3週間だった」とMF関口。MF梁も「いろいろな出来事があって短かった」。震災の傷口が癒えていない被災者はたくさんいる。復興に力を注いだサポーターも数多くいた。選手もスタッフも必死で再開戦に備えた。サッカー界以外でも、誰もが戦い続けた1カ月半だった。そして、ついに再開の時が来た。

 手倉森監督は決断した。初の「アウェー戦全員帯同」。普段、アウェー戦でメンバー外になった選手は仙台に残る。広島との開幕戦でもキャンプ地宮崎を離れる3月4日、広島行きと仙台行きの便に分かれた。だが今回は、登録18人から漏れたGK川俣、石川、DF渡辺、細川、島川、FW大久保、武藤、右膝リハビリ中のFW中原、右太もも裏痛のDF原田も決戦の地、等々力に乗り込む。FW柳沢は京都市内で左膝手術後のリハビリ中のため、帯同しない。

 「お前らを帰すわけにはいかない」。手倉森監督はこの日の練習後、選手会長の渡辺を呼び、思いを伝えた。梁も「全員が地元を元気づけたいと思っている。東北が活気づいて盛り上がるシーズンにしたい」と力強い。被災地復興の先頭に立つ-。震災後に掲げたスローガンを全28選手で体現する。

 いざ出陣。手倉森監督は誓った。「東北で犠牲になった方々の思いも力に変えて戦う。勝敗を分ける鍵は、気持ちです」。【三須一紀】