清水のMF小林大悟(28)が10日、移籍後、初めてチームの全体練習に合流した。今季、ギリシャ1部リーグのイラクリスから加入したが、持病の腰痛の治療のため、ここまでは完全別メニューで調整を続けていた。チーム始動から約3カ月半が経過し、ようやく“復帰”を果たし「明日にでも試合をやりたい」と、いきなりの全開宣言。22日の古巣・大宮戦での戦列復帰を視野に背番号10が動きだした。

 この日の清水は最高気温34・3度。全国一の暑さとともに、新たな熱気も生まれた。小林の合流だ。約1時間半のフルメニューを汗だくになりながら、気持ち良さそうに消化した。7対7のミニゲームではフリーマン(両チーム自由なメンバー)として全試合に出場し、ブランクを感じさせない華麗なボールタッチを披露。終盤は疲れからミスが目立ったが、合流初日からピッチでの存在感は際立っていた。

 小林

 ミスして伸二さんから怒られて、目が覚めました。疲れたけど、本当に楽しかった。みんなとパス交換してシュートまでいく。それが何よりも楽しい。

 ギリシャ1部リーグのイラクリス時代の昨年11月のリーグ戦出場を最後に、戦列から離脱した。けがを抱えたまま清水移籍を決断。海外志向が強い小林だけに「国内に戻るのは抵抗があった」と、当時を振り返る。だが、そんな思いは一瞬で吹き飛んだ。「伸二さんとか高原さんとか永井さんとか、トップレベルでプレーしてきた人から勉強になることは多い。若い選手も、いい選手が多い『ここに来て良かったな』って本当に思います」。ようやくチームの一員に加わり、実感が生まれた。

 始動後はチームとは離れ、鳥取市内のスポーツ施設でリハビリに集中してきた。クラブから特例措置を受けてきただけに、1日でも早く期待に応えようと、この日は午前中に自主トレも行った。「明日にでも試合に出たい。出られるかどうかは監督の判断。自分としては大宮戦(22日)、磐田戦(28日)ぐらいに照準を合わせてやっていきたい」と、真顔で言った。

 背番号10の復帰でレギュラー争いも今まで以上にヒートアップする。同時に選手層もチームの雰囲気も一気に“アツく”なっていく。【為田聡史】