<J1:仙台2-1G大阪>◇第15節◇15日◇ユアスタ

 エースストライカーの決勝点で強豪を撃破した!

 仙台がG大阪を下した。後半41分、初出場のFW柳沢敦(34)が右サイドで起点となり、パスを受けたMF角田誠(27)が右クロスを上げ、それをFW赤嶺真吾(27)が右足で決勝点。3戦連発の5得点目が、ナビスコ杯を含めて今季11戦無敗を引き寄せた。

 柳沢にボールが収まった瞬間だった。絶対にパスが来る。赤嶺は信じてゴール中央へ走った。柳沢からトップスピードでボールを受けた角田は右サイドを切り裂く。ペナルティーエリア右から進入すると「自分で打とうと思ったんやけど、ちょっと遠かった」。そう思った瞬間に顔を上げると、中央にフリーで赤嶺がいた。角田のグラウンダーの右クロスに赤嶺は右足で合わせるだけだった。

 平日の午後2時キックオフにもかかわらず、詰め掛けた1万4519人のサポーターが一気に沸いた。赤嶺は「平日のデーゲームなのにたくさんお客さんが集まってくれてよかった」。さらに仙台移籍後、初出場した柳沢へ「ヤナさんが右サイドで体を張ってくれて、崩してくれてよかった」と感謝した。

 前半にもビッグチャンスをつくった。同40分、角田のロングパスにオフサイドぎりぎりで反応。GKと1対1になり左ボレーを打ったが、かろうじてGKに触られ左ポストに当たった。

 赤嶺は頭が良い。これで3戦連発、リーグ10戦で5得点と好調を維持する。1月のキャンプ時から「2ケタ得点」を目標に掲げた。FWマルキーニョスが震災の影響で4月上旬に退団。システムが2トップから1トップに変わり「孤立する場面が多い」とチームメートと議論し、ポジショニングを改善してきた。この日もスタートは1トップだが、機能させた。手倉森監督も「序盤で相手DFの癖を読み切ってDFの嫌なことをやっている」と評価。野性的な外見に、クレバーな頭脳を持つ仙台のエースストライカーが結果を出し続ける。【三須一紀】