J2東京がかつて東京、G大阪で活躍したFWルーカス(32)を獲得することが25日、分かった。近日中にも発表される。ルーカスは04~07年まで東京に在籍し120試合出場で48得点を挙げた。昨年、G大阪を退団し、今季はアトレチコ・パラナエンセ(ブラジル)でプレーしていたが、5月に引退を表明していた。東京は前線に負傷者が続出し、FWペドロジュニオール(24)も退団。決定力不足解消に、かつてのエースに白羽の矢を立てた。

 チームの苦境を救うため、エースと呼ばれた男が戻ってくる。東京は日本代表DF今野ら、昨季の主力がほぼ残った。J2では巨大戦力を誇り「1年でJ1復帰」を目標に掲げてきた。だが、シーズン前にFW平山が右脛骨(けいこつ)および腓骨(ひこつ)骨折で全治6カ月の重傷。シーズン突入後にはMF米本、MFホベルト、FW高松が相次ぎ負傷。加えてペドロジュニオールも退団。得点力不足は深刻化していた。

 そんなチーム状況の中、Jクラブに7年間在籍し、MF梶山、石川らともプレー経験のあるルーカスがリストアップされた。東京での4年間でリーグ戦48得点、カップ戦8得点と活躍。G大阪に移籍した08年から退団した昨季まで、80試合出場で21得点と高い得点力を維持していた。

 東日本大震災後、ブラジル人の仙台FWマルキーニョス、山形DFウーゴが震災と原発事故を憂慮し退団。外国人旅行者も激減している中、ルーカスはJクラブへの移籍を決断。「東京愛」で、チームのJ1復帰に貢献する決意だ。

 過去在籍した日本のクラブに戻った外国人としては、ブラジル人FWで大宮などで活躍したバレー、柏で活躍したエジウソンなどがいる。いずれも復帰以降も結果を残しており、日本に慣れているルーカスへの期待は大きくなりそうだ。