ドイツ1部Bミュンヘンへの移籍が決定したG大阪の日本代表MF宇佐美貴史(19)が「50億円の男」へのリベンジを誓った。6月30日にインタビューに応じ、4年で欧州強豪での定位置奪取を目標に掲げ、09年のU-17(17歳以下)W杯で対戦したブラジル代表FWネイマール(19=サントス)との再戦を希望。2年前に実力を認め合った「ペレの再来」は現在、50億を超える金額でRマドリードへの移籍が浮上しており、欧州CLでの対戦に思いをはせた。

 「G大阪宇佐美」は残り半月になった。15日からはBミュンヘンに合流する。世界的強豪はライバルも強力だが、控えに甘んじるつもりはない。

 宇佐美

 力ではまだ勝てないと思っていますが、最初からスタメンで出たくないとは思っていない。奪いに行くという感じです。

 これまでも設定した目標をクリアしてきた。「20歳で代表入り」「22歳で海外移籍」。バロンドール(世界年間最優秀選手)獲得を最終目標に掲げ、まずは4年での定位置奪取を狙う。

 宇佐美

 25歳までに先発定着というか、それがバイエルンなら一番いいけど、欧州CLに出られるようなクラブで自分の位置を確立したい。やっぱ23歳ですね。25はちょっと時間かかりすぎ。19で行くと思えば。

 09年10月。U-17W杯の初戦で日本はブラジルと対戦し、2-3で敗れた。日本の軸だった宇佐美は、ブラジルの攻撃陣を支えていたFWネイマール、MFコウチーニョ(インテルミラノ)との再戦を望んだ。

 宇佐美

 やれれば楽しいと思います、めっちゃ。あの時は試合後、ネイマールが来てくれたんですよ。私生活のこととか、適当にジェスチャーで。ひたすら分かる単語を言うって感じで2人と話しました。ネイマールはまだ欧州に行っていないけど、同じ土俵に立てる。

 「ペレの再来」と呼ばれるネイマールは現在、Rマドリードが50億円を超える金額で獲得を目指している。コウチーニョも日本代表DF長友の同僚としてプレーするなど、2年前に競った2人は既に世界的舞台で活躍する。

 宇佐美

 今の自分は理想の完成度でいうと30~40くらい。まだまだ成長段階というか。残り70%は全部。ボールを持った時のプレーの質、アイデアをもっと増やせると思う。寄せられてもそれをはじき返すフィジカルがつけば、持った時のプレーの質も、自信も、上がってくる。持っていないときの動きも磨けば、まだまだいけると思います。

 14年W杯ブラジル大会まであと3年。22歳の「至宝」が100%になっていれば、「世界のウサミ」がサッカー界の中心にいる。【近間康隆】