世界のセクシースターが動きだした!!

 清水の新外国人MFフレドリック・ユングベリ(34)が8月31日、三保グラウンドで本格的に自主練習を開始した。正午からグラウンドで約1時間、午後は室内で約1時間汗を流した。元イングランド代表MFデービット・ベッカム(36)に並ぶ人気を誇る元スウェーデン代表は、リーグ再開の10日磐田戦(エコパ)でのデビューへ「体を合わせていきたい」と意欲を見せた。

 Jリーグに久々に現れたワールドクラスの外国人は、やはり大物だった。この日、練習開始は午前10時の予定だったが、ユングベリは約2時間遅れてやって来た。チームメートはオフで不在。自主練習ゆえに所用を優先した。それまで降っていた雨が到着の瞬間だけやむなど、さすがひと味違う。Tシャツに短パン、スニーカーとラフな姿で車を降り、待ちかねた報道陣に笑顔を見せてクラブハウスへ入っていった。すぐにオレンジのユニホームに着替え、正午からトレーニングを始めた。

 心拍数を測る機器を身に着け、まずは石栗建フィジカルコーチ(39)とランニングだ。ウオーミングアップを終えると、スパイクに履き替える。ボールをトラップして蹴り返す軽めの運動。その後もランニングとボールタッチを約1時間繰り返した。時折、笑い声を上げ、ガッツポーズを見せるなど、楽しそうに汗を流した。「残念なことに雨が降ったが、いい感じだった」と上々のスタートを切った。

 シーズン開幕直後の欧州から来たため、コンディションはまだ万全とはいえない。夕方からも室内で体力強化のメニューをこなした。それでも、再開初戦の静岡ダービーに向けた準備は着々と進めている。

 来日前からインターネットでJリーグの試合はチェック済み。27日の横浜戦(0-0)も観戦した。この日の会見で感想を聞かれ「いいプレーができていたし、さらによくしていくことができる。チームメートを助けながらやっていきたい」と語った。さらに「清水のしっかりつないでいくサッカーは、これまでもやってきたのでグッドプレーを見せたい」と、チームへの順応に自信をのぞかせる。3日に再開する全体練習からただちに連係を高める構えだ。

 8位からの巻き返しへ用意された切り札は、会見を「アリガトウ」と日本語で締めた。世界的名声を得ながら、入念な準備に細やかな配慮を見せる。やはり、ただものではない。【石原正二郎】

 ◆フレドリック・ユングベリ

 1977年4月16日生まれ、スウェーデン・ハルムスタッド生まれ。94年にスウェーデンリーグのハルムスタッズでプロデビュー。98年から07年まで所属したプレミアリーグのアーセナル時代は01-02シーズンでリーグ、FA杯の2冠を達成、05-06シーズンの欧州CLで決勝進出を果たすなど中心選手として活躍。07年に同リーグのウェストハムに移籍後は、08年MLSシアトル、10年同シカゴを経て昨季はスコットランドのセルティックに所属。代表では98年にデビューし08年に引退。国際Aマッチ75試合で14得点。W杯は02年、06年大会に出場。176センチ、76キロ。