<J1:G大阪0-2甲府>◇第27節◇24日◇万博

 甲府の日本代表FWハーフナー・マイク(24)が4戦連発で首位撃破に貢献した。1-0でG大阪をリードした後半ロスタイム、ゴール前で倒されながら左足でねじ込み、アウェーで貴重な勝ち点3を獲得。浦和と新潟、大宮に勝ち点2差と迫り、J2降格圏脱出へ弾みをつけた。今季14得点は得点ランク首位のケネディ(名古屋)に1差。10月11日のW杯アジア3次予選タジキスタン戦の代表入りへ、大きくアピールした。

 ゴールへの執念で、徹底マークをかいくぐった。後半48分、ゴール前のハーフナーはG大阪守備陣と競り合っていた。右サイドのFW片桐からのパスを受け、1人かわした直後、194センチの長身が折れるように倒された。「いや~軸足に当たったんで。入らなくてもPKと思いましたけど」。もつれながら左足で蹴ったボールは、そのままゴール左へ。苦笑いのダメ押し点で相手サポーターを一斉に帰路につかせた。

 これで8月28日名古屋戦から4試合連続得点。勢いは止まらず「調子は良かった」と全快宣言した。G大阪には7月16日のホーム試合でも決勝点を含む2得点。相手の西野監督が「孤立させる」と意気込み、早いプレスと最終ラインの調整で徹底してマークされた。そんな中で駆け引きを制し、後半13分にはフリーになって左足の強烈なシュート。オフサイドの判定だったが、最後の最後に「記録上」この試合唯一のシュートを、しっかりと決めた。

 4季ぶりにJ1復帰したチームは、開幕から低迷する。8月には三浦前監督が解任。エースとして責任を感じていただけに「みんな頑張って、ガンバという強いチームに勝てた。久しぶりの無失点だし、2連勝できて良かった」と声を弾ませた。今季初の連勝で勝ち点は27へ。浦和と新潟、大宮とは勝ち点差2とし、J2降格圏脱出に近づいた。終盤の残留争いを混戦にする、大きな1勝だ。

 これで今季14得点となり、前日23日に15点目を挙げた首位ケネディ(名古屋)とは1差のまま。今月初めのW杯予選では負傷のFW本田圭佑に代わって追加招集され、初めて日の丸戦士としてプレーした。「まずはしっかりチームで結果を残すこと。頑張れば(代表に)選ばれると思うので」。日本の誇るビッグタワーは、大きな自信をつけていた。【近間康隆】