G大阪の西野朗監督(56)が、有終の美を飾る。23日、今季限りでの退任が正式に発表された。チームは動揺も見せずに、本拠地最終戦となる26日仙台戦に向け普段通りに調整。同一クラブを率いた指揮官ではJリーグ最長となる10年間の指揮を執った西野監督は「まだ(リーグ戦)2試合、優勝を引っ張った試合が残っている。精いっぱいベストを尽くす」と宣言した。

 首位柏とは勝ち点4差。逆転優勝は難しい状況だが、数字上の可能性がある限り諦めはしない。充実した戦力を擁しながら、10年でリーグ戦のタイトルは05年の1度だけ。指揮官は「やり切ったとは思っていない」と言った。奇跡の逆転Vが実現すれば、その先にクラブW杯がついてくる。DF中沢は「こういう結果になった以上、監督を胴上げしたい」。この日の練習では一切、指揮官から別れの言葉はなかったという。タイトルを置き土産に、G大阪を去る決意だ。