チーム得点王がJ1挑戦への4カ条を掲げた。J2札幌FW内村圭宏(28)が5日、札幌市内のクラブ事務所で1回目の契約更改交渉を行った。クラブ側はチームトップ12得点の活躍を評価し、250万円増の1200万円(金額は推定)を提示した。サインは保留したが、来季は札幌残留が濃厚だ。J1での目標として(1)全試合出場(2)2ケタ得点(3)J1残留(4)日本代表選出の4つの目標を掲げてJ1に挑んでいく。

 内村が晴れ晴れとした表情で最初の交渉を終えた。3日の最終東京戦では全2ゴールを挙げ、札幌を昇格に導いた。ケガに悩まされ5得点に終わった昨季とは充実感が違う。クラブからは当然のアップ提示。不満はない。昇格決定後は友人から100件を超える祝福メールが届いた。「ようやくJ1に上がる。そういう実感が湧いてきた」。今は一瞬だけ喜びに浸り、新たな戦いへの準備にかかる。

 ビジョンは出来ている。大分時代の06年以来、6年ぶりに戻るJ1舞台だ。早速、復帰4カ条を掲げた。「まずは1年を通して、継続して結果を出し続けること」。今季序盤は右アキレスけん痛に悩まされて欠場が続いただけに、故障なく全試合に絡み勝利に貢献する。「2試合1得点ぐらいのペースで。連続で2ケタは決めたい」。今季は27試合で12点と、ハイペースで2年ぶりの2ケタ得点に到達した。スピードあるドリブルと、天性の得点感覚で初の連続2ケタ弾を狙う。

 夢は、まだ、尽きない。チームとしての命題、J1残留へけん引しながら選手個人としての野望を持ち続ける。「J1でやっていれば、代表に呼ばれるチャンスも膨らむ。まだ、代表をあきらめていない」。甲府FWハーフナーも今季、J2からJ1に移籍してブレーク。一気に代表へと駆け上がった。大分から06年に愛媛に移籍。J2で5年足踏みしたが「もう遠回りはしない」と2年連続の爆発でジャパンブルーをつかみにいく。

 自分にプレッシャーもかけていく。「僕の給料のことは気にしないで、その分で強力な助っ人外国人選手を取ってきてほしい。その方が自分もうまくなれるし、刺激にもなる」とフロントに注文を出した。エースのおごりは、みじんもない。来季も一からレギュラー争いに挑み、J1バージョンへと進化を図る。【永野高輔】